活動報告

2016年1月24日 学習会 西尾市総合福祉センター

講演 「中国脅威論」と日本の安全保障政策」
講師 定形衛先生 (名古屋大学大学院)

全国各地で安保法廃止をめざす取り組みが展開されるなか、去る24 日(日)、西尾九条の会新年学習会が市総合福祉センターで開かれました。今冬、最強の寒波が近づく寒い一日でしたが、約40 名が参加し、2 時間半にわたり、錆び付いた頭をブラッシュアップする学習会となりました。
講師は、本会代表の杉浦一孝先生の同僚で東欧研究の第一人者、名古屋大学大学院の定形衛先生をお招きして「「中国脅威論」と日本の安全保障政策」と題する講演を行いました。
講演は、氏の研究者として略歴、自己紹介から始まり、ルイ・アラゴンの有名な言葉「教えることは希望を語ることであり、学ぶことは誠実を心に刻むことである」を引用した学びのあり方や「アベ政治」の歴史認識・政治認識、「中国脅威論」の実態と東アジア国際政治、「アベ安保法制」と「中国脅威論」など4 つの柱で話が進められました。
「戦後70 年の安倍談話」を読み解くの部分では、安倍談話を貫く欺瞞性を指摘するとともに、安倍首相の人物評や歴史認識について、定形氏の人生哲学の一端も披歴され、とても興味深く聞くことができました。
今回の学習会のメイン・テーマである「中国脅威論」については、尖閣諸島問題の歴史的経過、尖閣国有化と中国の核心的利益、核心的利益の意味するところなどが詳しく解説されました。とりわけ、国民に中国脅威論を実感させる南沙諸島問題などの中国の海洋進出政策については、背景となっている第一列島線、第二列島線、南シナ海の九段線など中国の国防・海洋政策を地図をもとに解説され、「中国脅威論」の虚と実を読み解くために参考となる面白い内容でした。